雑記、とある猫の昼下がり

目を開くと、青空が広がっている。少し下を向くと、風が草花を揺らしているのが見えた。

「ああ、いつの間にか眠っていたのか」

そう呟くかのように”それ”はひとつ、長い欠伸をした。

全身は黒い体毛に覆われているが額には星のような白い模様、六本の長い髭、自慢のカギしっぽーー野良猫は一鳴きしたあとに歩き出す。

どこで飯にありつこうかなんて考えながら『そよ風公園』と刻まれた木製の看板からアスファルトに着地し、公園を後にした。

 

              *    *    *

 

「きゃああ可愛いぃ~!」

昼過ぎ、少し空に赤みがかかった午後の商店街に、女子高生数人の声が響いた。その女達の視線の先には腹を見せ、これでもかと眼を潤ませている三毛猫がいた。

「このコヤバーい!チョー可愛いよ!」

「インスタ上げたらソッコーでバズるよこれ~!」

「ほらほら、にぼしあるよ~!給食で出た残り物だけど食べる~?」

女子高生の一人が鞄から袋を出すと、その袋からにぼしを一本取り、三毛猫に近づけた。しばらく経ったとこで女子高生が去っていった。

「なかなか面白れぇ見せモンだったぞ」

後ろから声をかけられたその三毛猫は一瞬で振り向き臨戦態勢に入った、がすぐにそれを解いた。

「なんだ星のアニキじゃないっスか、びっくりさせないでくださいよ~」

三毛猫が『星のアニキ』と呼ぶその猫は、黒い毛に覆われた、額に星のような模様をしていた。どうやらこの二匹は見知った仲のようだ。

「人間の馬鹿でかい声がして何かと思ったらオメーが夢中で腹ァ見せて踊ってやがったからつい見入っちまったよ、なかなか傑作だったぞ」

猫はそう言うと少しにやけ、鼻からフスッという音を出した。

「ちょっと笑わないでくださいよー!これやってるとかわい子チャンからのウケが良いんすよ!」

三毛猫は必死になって星のような額の猫に弁明し、少し落ち着いてからまた口を開いた。

「でも人間のメスってチョロいっすよねぇ、少し甘えた顔すりゃあ飯にありつけるんだから」

そう言って三毛猫は自分の前足をペロッと舐めた。

「バーカ、そんなダセェ事して飯にありつく猫なんざいくらでもいるっての」

そう返すとその場を後にし、ある肉屋の前で止まった。しばらく辺りを見回すと一人の主婦と目があった、その瞬間を猫は逃さなかった。

にゃあん、と短く鳴き、自分に興味を持たせる。

「あら、可愛い猫ちゃんね。ここの子なの?」

その主婦は黒猫の前まで近寄ると頭をひと撫でした、猫はもう一押しするかのように

二度、大きく鳴いた。

「ホシちゃんまた来たのかい?アラッ、いらっしゃいませぇ」

店の奥から少し横に大きい中年の女性が現れた。どうやらこの猫をよく知っているらしく、猫を『ホシちゃん』と呼んだ。主婦が肉屋で買い物を済ませた後、その中年の女性は鶏のささ身肉を持ってきた。

「ホシちゃんはホント、ウチの招き猫だわぁ。これ、食べてってね!」

そう言うと女性はまた、奥に引っ込んでいった。

「ま、こんなもんか」

そんな事を呟きながら猫は、食事にありつくのであった。

 

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早速書いてみました、センス無い?知ってます(笑)

額に星型の模様がある黒猫が今回の主人公です、随分ひねくれてます。

肉屋のおばちゃんからホシちゃんって呼ばれてるし星猫とでも名付けましょうかね。

 

黒猫の額に星のようなひし形の模様をしたイメージですかね。

短編にするつもりでしたが星猫シリーズにしようかと悩んでいます(笑)

 

次回は違うものを書いてみようかと思います。

しばらくはのんびり書いていこうかな。